伊達政宗騎馬像


▲小室達の伊達政宗騎馬像額
額当館には、仙台藩祖伊達政宗公の騎馬像額が展示されています。
これは、仙台城址にある政宗公の騎馬像を制作した彫刻家の小室達(とおる)が制作したもので、伊達家十六代当主の伯爵伊達興宗(おきむね)に献上されたものです。

小室達は、明治32年(1899年)に現在の宮城県柴田町に生まれ、槻木(つきのき)小学校から白石中学校に入学しました。
彫刻への関心は中学時代に始まったとされ、その後東京美術学校(現東京芸術大学)彫刻科を卒業しました。

昭和8年(1933年)、小室は伊達政宗公の三百回忌にあたって、宮城県青年団から政宗公の銅像制作を依頼され、これを名誉と考えて、銅像制作に専念したそうです。
制作のために専門家の意見を聞き、瑞鳳殿や瑞巌寺で政宗公の木像、画像を見て、武具、衣装等の故実の研究を重ね、文献を読み、基本事項の調査、考証に努めました。
また、政宗公が騎乗する馬についても、その歴史や解剖学的なことから、馬具に至るまで調べ上げています。


小室は、昭和28年(1953年)、肺結核で亡くなり、没後、彼の作品の多くは柴田町に寄贈されています。