伊達家の茶道具

 仙台藩祖政宗は、多様な趣味と教養を持ち、その一つに茶道があります。
天正18年(1590年)の小田原攻めに遅参した政宗は、千利休に茶道を学びたいと豊臣秀吉に申し出た逸話が残っています。
その後、千利休の高弟のひとり古田織部(おりべ)や小堀遠州を通じて茶道を身につけた政宗は、仙台藩茶道頭清水道閑を京都に派遣し、茶道具の購入を命じています。
政宗の他に歴代の藩主で茶道具の収集に積極的だったのが、四代綱村と五代吉村でした。
綱村は、道具に積極的に箱書し、吉村は収集・確認・再評価・保管を行っています。

松島博物館では、十三代藩主慶邦(よしくに)に仕えた石州流清水派八世の清水鑑が新調した茶杓、茶托、茶碗、棗(なつめ)、香合、仕服(仕覆)、水指(水差)等を展示しています。
清水道閑は、小堀遠州とともに古田織部に茶道を学び、その縁から小堀遠州の推薦で仙台藩に招聘(しょうへい)され、その後、石州流清水派を創立しています。

【茶杓(ちゃしゃく)】

 

抹茶をすくうさじ。竹製。茶さじ。 

  

【棗(なつめ)】

 

抹茶用の茶入れ。ナツメの実の形に由来する。 

 

【仕服(仕覆)(しふく)】

 

茶入れを保護するための袋。 

 

【水指(水差)(みずさし)】

 

釜に入れる不足の水を指す器。

 お詫びと訂正

広報まつしま七月号で写真下説明の「雨薄」は「雪薄」の誤りでした。