瑞巌寺本堂(附御成玄関)

国宝(建造物)

慶長14年(1609年)伊達政宗の創建で、本堂と庫裏、御成玄関からなっている。中門から中庭に入ると正面に本堂(方丈)、右に庫裏と廊下、左に御成玄関が見られる。
御成玄関の前には御成門があり、御成門と中門は太鼓塀と呼ばれる塀で結ばれている。
本堂は書院造で、入母屋造本瓦葺の巨大な屋根を架し、南・北・東の三方に上縁、下縁をめぐらし、10室に画して中央奥に仏間を設けている。仏間の前に室中の間(孔雀間)、左に上段・上々段の間、右に控の間(羅漢間)・墨絵間を配している。
また、仏間前面の室中間の左には文王間、右には鷹間・菊間・松間がある。外観は簡素な和風手法によっているが、内部の彫刻、彩色、金具、襖絵や貼付絵には絢爛たる桃山建築の世界を表現している。

御成玄関は、折れ曲がった石敷で本堂に通じ、武家の折衷門に似た形状をもつが、板敷でない点むしろ方丈建築の玄関の形を承けついだものとみられる。禅宗様の素木造建築である。

 

瑞巖寺庫裏及び廊下

国宝(建造物)

庫裏は切妻造、本瓦葺の巨大な屋根を架す。妻飾り及び廊下の構成美が特に優れている。「慶長十四年巳酉年三月二十六日」の棟札がある。
 

 

瑞巖寺御成門(附太鼓塀2棟)

重要文化財(建造物)

御成門は、本柱の後方に控柱を建て、前後の柱の中央に屋根の棟線が来ないで前面にずれる薬医門の形式で、入母屋造、本瓦葺、軒の出も深く重厚な門である。
 

 

瑞巖寺中門(附太鼓塀2棟)

重要文化財(建造物)

中門は、本柱の前後に支柱を2本ずつ計4本を建て、本柱上に棟線が乗る前後対象係の四脚門で、切妻造、こけら葺。
絵様肘木、虹梁木鼻は奇抜で独創的。壁が無く、骨組が露出した雄勁にして枯淡な門である。
御成門・中門の対照的意匠が注目される。
ともに慶長14年(1609年)頃の建築。土壁は白壁で、中空の太鼓塀になっている。

 

圓通院霊屋1棟

重要文化財 (建造物)

仙台藩2代藩主伊達忠宗の世継ぎ光宗の霊屋で、正保4年(1647)に建立された。
建物は方3間、宝形造、本瓦葺(元銅瓦葺)で、四周に高欄付の縁をめぐらす。
東北地方では数少ない格式ある方3間霊屋の遺構であり、霊屋建築としては宮城県下最古の遺例である。
内部に光宗の騎乗像を祀る禅宗様の厨子があるが、厨子の各所に施された彩色模様は極めて華麗であり、中には一部洋風の模様も見られ珍しい。

 

瑞巌寺五大堂1棟

重要文化財(建造物)

慶長9年(1604年)伊達政宗の創建。素木造、方3間、向拝をつけ勾欄付縁をめぐらし、屋根は宝形造、本瓦葺で、軒の出が大きく、総体に落ち着いた比例をもっている。
向拝虹梁上の蟇股や木鼻・手挟、また本堂四面の蟇股および十二支の彫刻も雄健である。
内部に奇巧をこらし彩色を施した家形厨子を配し、平安中から後期の五大明王像を安置している。
仙台圏域における最古の桃山建築である。「慶長第九歳次/甲辰十二月六日」の棟札がある。
  

 

 


陽徳院霊屋 

重要文化財  (建造物)

伊達政宗の夫人愛姫(陽徳院)の霊屋で、万治3年(1660年)に成った。方1間、向拝を付け、廻縁をめぐらす。
屋根は宝形造、銅板葺(元こけら葺)。外壁及び縁は、漆塗、各所に金箔を押した痕跡がある。
内部は床板張、板壁金箔押、長押胡粉彩色、格天井彩画、壇は黒漆塗、金具付で、尼姿の夫人の像を安置している。
規模も小さく、いかにも女性を祀るのにふさわしい繊細優美な建築である。平成18年8月から平成20年12月まで保存修理が行われ、創建当初の姿を取り戻した。