天長5年(828年)
慈覚大師によって創建されたと伝えられる。「瑞巌寺」は奥州随一の禅寺で、伊達政宗の菩提寺である。
現在の建物は慶長14年(1609年)政宗が桃山様式の粋をつくし、5年の歳月をかけて完成させたもので、政宗が心血を注いだ荘厳な大伽藍といえる。
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本堂(方丈)

 

南東に面し、南西端に御成玄関を伴ない、南東端は庫裡に続く回廊に接続する。大きさ正面39m、奥行き25.2m。
入母屋造・本瓦葺で、部屋は10室に分かれる。慶長9年から足かけ5年をかけ、同14年(1609年)完成。
材料は熊野から運ばれ、京都・根来の大工衆が技を競った。(国宝)
 

上段の間

 

藩主御成の間。黒塗框の豪壮な床の間・火頭窓・違い棚・武者隠(帳台構)を備えた書院で、飾り金具がすばらしい。
襖絵「四季花卉図」は長谷川等胤の筆。
「円満」額は享保19年(1734年)5代吉村の筆。
 

本堂廊下 

 

東南西三方に上縁・下縁を巡らす。室中への入り口を画す唐戸や欄間の総透し彫りの彫刻は根来の工匠・刑部一門の作。
 

雲版

 

雲版また斎版ともいわれる、大衆に粥斎(食事時)を告げる法器。
「嘉暦丙寅秋 住持明極誌」の銘は嘉暦元年(1326年)円福寺10世明極の鋳造を示す。(国指定重要文化財)
 

御成玄関 

 

御成玄関は乙字形をしているので、別名乙字形玄関とも呼ばれている。単層入母屋造で柱は算盤玉状の礎盤の上に丸柱を立て、木鼻は象を彫刻し、内部は四半敷といって花崗岩の切石を斜めに敷きつめた唐様(中国風)建築である。
 

欄間の彫刻

 

欄間には「鶴の巣籠り」「桐に鳳凰」「牡丹に金鶏」などの吉祥のモチーフが、写実的手法で彫刻され、廊下にアクセントを与えている。
 

庫裡 

 

禅宗寺院の台所である。巨大さと妻飾りの彫刻白壁と木組のコントラストの美しさは、他の追随を許さない。