○松島町議会基本条例

平成20年3月12日

条例第15号

目次

前文

第1章 目的(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条・第3条)

第3章 町民と議会の関係(第4条)

第4章 町長と議会の関係(第5条―第8条)

第5章 自由討議の拡大(第9条)

第6章 政務活動費(第10条)

第7章 議会及び議会事務局の体制整備(第11条―第15条)

第8章 議員の身分及び待遇並びに政治倫理(第16条―第18条)

第9章 最高規範性及び見直し手続等(第19条―第22条)

附則

(前文)

松島町議会は、日本国憲法に定める地方自治の本旨の実現のため、二元代表制の一方の機関として、松島町民の意思を町政に的確に反映させ、松島町としての最良の意思決定を導く責任を負っている。

松島町議会が、地域における民主主義の発展と松島町民の福祉の向上のために、果たすべき役割は、将来に向けてますます大きくなっている。

特に地方分権の時代を迎えて自治体の自主的な決定と責任の範囲が拡大した今日、松島町議会は、その持てる権能を十分に駆使して、自治体事務の立案、決定、執行、評価における論点、争点を広く松島町民に明らかにすることが求められている。

松島町議会は、自由かっ達な討議を通じて、これらの使命を達成するため、議員間の自由な討議の展開、松島町長等の行政機関との持続的な緊張の保持、議員の自己研さんと資質の向上、公正性と透明性の確保、議会活動を支える体制の整備等について、この松島町議会基本条例を制定するものである。

松島町議会及び議員は、この条例の定めるところにより松島町民の信託にこたえ、存在感のある松島町議会を築くため、使命感を持って職務に取り組み、活力ある地域社会を実現することを誓約する。

第1章 目的

第1条 この条例は、分権と自治の時代にふさわしい、松島町民(以下「町民」という。)に身近な政府としての松島町議会(以下「議会」という。)及び議員の活動の活性化及び充実のために必要な議会運営の基本事項を定めることによって、町政の情報公開及び町民参加を基本にした松島町の持続的で豊かなまちづくりの実現に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は、町民主権を基礎とする町民の代表機関であることを常に自覚し公正性、透明性及び信頼性を重んじ町民に開かれた議会及び町民参加を不断に推進する議会を目指して活動する。

2 議会は、議会が議員、松島町長(以下「町長」という。)、町民等の交流と自由な討論の広場であるとの認識に立って、その実現のために、この条例に規定するもののほか、この条例を踏まえて別に定める議会会議規則の内容を継続的に見直すものとする。

3 議長は、別に定める規則による町民の議会の傍聴に関し、傍聴者の求めに応じて議案の審議に用いる資料等を提供するなど、町民の議会の傍聴の意欲を高める議会運営に努める。

4 議会は、会議を定刻に開催するものとし、会議を休憩する場合には、その理由及び再開の時刻を傍聴者に説明するよう努める。

(議員の活動原則)

第3条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議の推進を重んじなければならない。

2 議員は、町政の課題全般について、課題別、地域別等の町民の意見を的確に把握するとともに、自己の能力を高める不断の研さんによって、町民の選良にふさわしい活動をするものとする。

3 議員は、個別的な事案の解決だけでなく、町民全体の福祉の向上を目指して活動しなければならない。

第3章 町民と議会の関係

(町民参加及び町民との連携)

第4条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

2 議会は、本会議のほか、常任委員会及び特別委員会を原則公開するとともに、議会主催の一般会議を設置するなど、会期中または閉会中を問わず、町民が議会の活動に参加できるような措置を講じるものとする。

3 議会は、常任委員会、特別委員会等の運営に当たり、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して、町民の専門的又は政策的な識見等を議会の討議に反映させるものとする。

4 議会は、請願及び陳情を町民による政策提案と位置付けるとともに、その審議においては、これら提案者の意見を聴く機会を設けなければならない。

5 議会は、町民、町民団体等との意見交換の場を多様に設けて、議会及び議員の政策能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図るものとする。

6 議会は、重要な議案に対する各議員の態度を議会広報で公表する等、議員の活動に対して町民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めるものとする。

7 議会は、前各項の規定に関する実効性を高める方策として、全議員の出席の下に町民に対する議会報告会を少なくとも年1回開催して、議会の説明責任を果たすとともに、これらの事項に関して町民の意見を聴取して議会運営の改善を図るものとする。

第4章 町長と議会の関係

(町長等と議会及び議員の関係)

第5条 議会の本会議における議員と町長及び執行機関の職員(以下「町長等」という。)の質疑応答は、広く町政上の論点及び争点を明確にするため、議長の許可を得て一問一答方式を行うことができる。

2 議長から本会議並びに常任委員会及び特別委員会への出席を要請された町長等は、議員の質問に対して議長または委員長の許可を得て反問することができる。

(町長による政策等の形成過程の説明)

第6条 町長は、議会に計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)を提案するときは、政策等の水準を高めるため、次に掲げる政策等の決定過程を説明するよう努めなければならない。

(1) 政策等の発生源

(2) 検討した他の政策案等の内容

(3) 他の自治体の類似する政策との比較検討

(4) 総合計画における根拠または位置付け

(5) 関係ある法令及び条例等

(6) 政策等の実施に係る財源措置

(7) 将来にわたる政策等のコスト計算

2 議会は、町長の提案した政策等を審議するに当たっては、その政策等の水準を高める観点から、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。

(予算及び決算における政策説明資料の作成)

第7条 町長は、予算案及び決算を議会に提出し、議会の審議に付するに当たっては、前条第1項の規定に準じて、分かりやすく施策別または事業別の政策説明資料を作成するよう努めるものとする。

(法律第96条第2項の議決事件)

第8条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法律」という。)第96条第2項の議会の議決事件については、代表機関である議会が、町政における重要な計画等の決定に参画する観点及び同じく代表機関である町長の政策執行上の必要性を比較考量の上、次のとおり定めるものとする。

(1) 松島町長期総合計画の基本構想

(2) 松島町国土利用計画

(3) 松島町都市計画マスタープラン

(4) 公害防止協定の締結に関する事項

(5) 松島町障がい者計画

(6) 松島町子ども・子育て支援事業計画

(7) 松島町高齢者福祉計画・介護保険事業計画

(8) 松島町観光振興計画

(一部改正〔平成22年条例3号・25年1号・27年36号〕)

第5章 自由討議の拡大

(自由討議による合意形成)

第9条 議会は、議員による討論の広場であることを十分に認識し、議長は、町長等に対する本会議等への出席要請を必要最小限にとどめ、議員相互間の討議を中心に運営しなければならない。

2 議会は、本会議、常任委員会、特別委員会等において、議員提出議案、議会委員会提出議案、町長提出議案及び町民提案等に関して審議し、結論を出す場合、議員相互間の自由討議により議論を尽くして合意形成に努めるとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

3 議員は、前2項の規定による議員相互間の自由討議を拡大するため、政策、条例、意見等の議案の提出を積極的に行うよう努めるものとする。

第6章 政務活動費

(一部改正〔平成25年条例1号〕)

(政務活動費の交付、公開、報告)

第10条 政務活動費は、議員による政策研究、政策提言等が確実に実行されるよう、松島町議会政務活動費の交付に関する条例(平成14年条例第17号)の規定により、会派及び議員個人に対して交付するものとする。

2 政務活動費の交付を受けた会派及び議員は、公正性、透明性等の観点に加え、その支出根拠が議会の議決事項である予算に依拠することから、町民等から疑義が生じないよう、議長に対して証票類を添付した報告書を提出するとともに1年に1回以上、政務活動費による活動状況を町民に報告しなければならない。

(一部改正〔平成25年条例1号〕)

第7章 議会及び議会事務局の体制整備

(委員会等の適切な運営及び一般会議の設置)

第11条 議会は、社会情勢、経済情勢等により新たに生じる行政課題に適切かつ迅速に対応するため、常任委員会、特別委員会等の適切な運営により機動力を高めなければならない。

2 議会は、法律により活動が制限されている常任委員会、特別委員会等の制約を超えて、町政の諸課題に柔軟に対処するため、町政全般にわたって、議員及び町民が自由に情報及び意見を交換する、一般会議を設置するものとする。

(議会情報の公開)

第12条 議会は、町民の知る権利を尊重し、公文書の開示を請求する者に議会の保有する情報の一層の公開を図り、もって議会の有する諸活動を町民に説明する責務が全うされるよう公正で民主的な運営に務めなければならない。

(議会事務局の体制整備)

第13条 議会は、議会及び議員の政策形成及び立案の能力を高めるため、議会事務局の調査機能及び法務機能を積極的に強化する。

2 前項に規定する目的を達成するため、当分の間、議会事務局における執行機関の法務機能の活用、職員の併任等を考慮するものとする。

(議員研修の充実強化)

第14条 議会は、議員の政策形成及び立案の能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化を図り、この条例の理念を議員に浸透させるよう努めるものとする。

2 議会は、議員研修の充実強化に当たり、広く各分野の専門家、町民各層等との議員研究会を積極的に開催するものとする。

(議会広報の充実)

第15条 議会は、町政に係る重要な情報を、議会独自の視点から、常に町民に対して周知するよう努めるものとする。

2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより多くの町民が議会及び町政に関心を持つよう、議会広報活動に努めるものとする。

第8章 議員の身分及び待遇並びに政治倫理

(議員定数)

第16条 議員定数は、別に条例で定める。

2 議員定数の改正に当たっては、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等に関して町民の意見を聴取するため、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用するものとする。

3 議員定数の条例改正案は、法律第74条第1項の規定による町民の直接請求による場合及び町長が提出する場合を除き、議員定数の基準等の明確な改正理由を付して、法律第109条第6項又は法律第112条第1項の規定に基づき、委員会又は議員から提出するものとする。

(一部改正〔平成25年条例1号〕)

(議員報酬)

第17条 議員報酬は、別に条例で定める。

2 議員報酬の改正に当たっては、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等に関して町民の意見を聴取するため、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用するものとする。

3 議員報酬の条例改正議案は、法律第74条第1項の規定による町民の直接請求による場合及び町長が提出する場合を除き、明確な改正理由を付して、法律第109条第6項又は法律第112条第1項の規定に基づき、委員会又は議員から提出するものとする。

(一部改正〔平成25年条例1号〕)

(議員の政治倫理)

第18条 議員は、町民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって、町民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。

第9章 最高規範性及び見直し手続等

(最高規範性)

第19条 この条例は、議会運営における松島町の最高規範であって、議会は、この条例に違反する議会に関する条例、規則、規程等を制定してはならない。

2 議会は、議会に関する日本国憲法、法律及び他の法令等の条項を解釈し、運用する場合においても、この条例に照らして判断しなければならない。

(議会及び議員の責務)

第20条 議会及び議員は、この条例に定める理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例、規則、規程等を遵守して議会を運営し、もって町民を代表する合議制の機関として、町民に対する責任を果たさなければならない。

(見直し手続)

第21条 議会は、一般選挙を経た議員の任期開始後、できるだけ速やかに、この条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検討するものとする。

2 議会は、前項の規定による検討の結果、この条例に規定する制度の改善が必要な場合は、この条例の改正を含めて適切な措置を講じるものとする。

3 議会は、この条例を改正する場合には、全議員の賛同する改正案であっても、本会議において、改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。

第22条 この条例に定めるもののほか、条例の施行に関して必要な事項は規則で定める。

この条例は、平成20年6月1日から施行する。

(平成22年3月9日条例第3号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成25年3月1日条例第1号)

この条例は、平成25年3月1日から施行する。

(平成27年9月30日条例第36号)

この条例は、公布の日から施行する。

松島町議会基本条例

平成20年3月12日 条例第15号

(平成27年9月30日施行)

体系情報
第2類 議会・選挙・監査/第1章
沿革情報
平成20年3月12日 条例第15号
平成22年3月9日 条例第3号
平成25年3月1日 条例第1号
平成27年9月30日 条例第36号