自主防災組織について

【自主防災組織とは】

 平成15年7月26日に発生した宮城県北部連続地震では、松島町も非常に多くの被害を受けました。
また、今後高い確率で発生が予測される宮城県沖地震でも大きな被害が発生する事が想定されています。

このような大規模地震等が発生した際には建物の崩壊に加えて、同時多発火災、ライフラインや消火設備・道路の損壊など、広範囲の被害が多重的に発生します。
消防や警察、自衛隊などの公的機関による対応には限界があり、よって発災直後の初動では、地域住民が自ら生命を守り、助け合うことが重要です。

平成7年1月17日に発生した阪神淡路大震災においても、倒壊家屋等から救助された人の大半は近隣の住民の手によるものでした。また初期消火においても住民が消して止めた火災が数多くありました。
すなわち、消防や警察等の「公助」が機能する前段階では、自助、共助による他はないのであり、地域の防災力を高め、自分の命・自分の家族・自分の地域を守るのが自主防災組織の存在であります。


【自主防災組織の活動】

平常時:消火や避難などの訓練
地域危険箇所などの防災マップ作成
講習会や印刷物配布による啓発活動
DIGなどの図上訓練
災害時:救出救護
避難誘導
初期消火
情報収集伝達


【自主防災組織の結成】

 組織の結成にあたっては、行政区若しくは行政地区を単位として、地域住民の合意形成が図られます。
またこれと平行して具体的な活動計画や組織体制整備を行うこととなります。
結成に際しては、まず総務課環境防災班までご相談ください。
結成までの手続きや他の自主防災組織での事例紹介など、状況に応じたアドバイスを行います。

結成までの一般的な流れ
1 役場総務課や松島消防署にご相談ください
2 行政区や行政地区内で、組織体制や役割分担などの協議を行います
3 組織の規約や体制表、連絡網の作成を行います
4 結成報告書を役場総務課環境防災班まで提出してください

 

町・消防署の支援

【訓練運営補助金】
 町では、年に1回ですが、自主防災組織で訓練を行った際に補助金を支出しています。
訓練で必要とされた経費の2/3若しくは3万円+(組織内世帯数×100円)のどちらか低い金額となります。

ハンドマイク、ヘルメットなど訓練で使用される資機材購入や訓練時の文書印刷費、通信費などが対象となります。

補助金申請様式


補助金交付申請

様式第1号(交付申請書)[9KB docファイル]  様式第2号(事業計画書)[9KB docファイル] 

 

様式第3号(収支予算書)[35KB docファイル]  概算請求書 [30KB docファイル]

 

実績報告書 

様式第4号(実績報告書)[10KB docファイル]  様式第5号(事業実績調書)[10KB docファイル] 

 

様式第6号(収支決算書) [34KB docファイル]   

 


補助金交付申請書・実績報告書記載例
様式記入例 [128KB pdfファイル] 

 

【防災資機材の配備】
 町では、組織結成時に防災資機材の配備を行っています。おおよそ5万円の範囲ですが、組織が必要とされる資機材を配備します。
これまで、ヘルメット、発電機、土のう袋、懐中電灯や鋸、バールなどが入った資機材セットなどが配備されています。
 
【訓練への支援】
 自主防災組織で訓練を行おうとしても、どのような訓練をしたらいいのか、または訓練で使う機材が用意できないなどで悩むこともあると思います。
そのような場合には、役場や消防署にご相談ください。

消防署には、初期消火訓練で使う水消火器や119番訓練通報用電話機、模擬倒壊家屋などがあり、また地震体験できる起震車も借用してくれます。
その他、応急処置やAEDを学べる普通救命講習や職員による講演会も開催します。
役場では、図上訓練を行う場合や防災マップを作成する際の文房具、白地図やマジックペンなどを貸し出します。
また、防災に関しての講演も行います。これまでも自主防災組織代表を対象としたリーダー講習会などを実施しました。

防災訓練おしな書き [229KB pdfファイル](PDF形式) 
 

自主防災部会の取組

 「世代継続する地震に強いまちづくり検討会」では、教育部会、観光部会とともに、自主防災部会も設け検討しています。構成員は全行政区長と自主防災組織代表です。
世代継続する取組に若者の参加は必須です。
小学生高学年や中学生、高校生は地域住民の一人であり、地域防災活動に協力していく立場です。
若者の参加無くしてこれからのまちづくりを行うことはできません。

いかに若い世代を自主防災組織に参加させるかが、世代継続する松島町の取組を成功させるかどうかの鍵となります。

自主防災部会の取組をいくつか紹介します。 

マニュアルの作成

 災害に対する防災意識が親から子へ、子から孫へと伝えられ、世代継続していくシステムを作ることが、災害に強いまちづくりといえます。
この理念のもとに、地域全体の安全のために地域住民一人一人が自主防災の意識を持つと共に、発災に際しては地域住民がが総ぐるみでこれに当たるという防災活動が必要です。

自主防災組織は町の重点的施策であることからも、マニュアルを作成し、継続的に取り組むべきことと考えます。
このマニュアルは自主防災組織のあり方について正しく理解し推進するための指針を定めたもので、組織の円滑な運営を目指すものです。

自主防災組織結成推進及び運営マニュアル 
自主防災組織リーダーの育成
 組織の運営において、リーダーの資質が非常に大きなウェートを占めます。地域防災の向上のために、防災に関する手法や知識を有し、中心的に活動できる人材の育成や確保の必要性は一層高まっています。

このため、自主防災組織結成の支援や活動の充実を図るため、行政区長・行政員を対象として、平成17年にリーダー講習会を次表のとおり実施しました。
実施日 内容 講師等
10月21日 講演
「自主防災組織の役割」
東北工大 田中礼治
11月11日 体験を語る
-立ち上げから運営まで-
三居山一自主防災
代表 白井卓二
宮城県沖地震への備え 宮城県危機対策課
11月25日 防災マップ作成(1) 松島消防署、町職員
12月9日 防砂マップ作成(2) 松島消防署、町職員
若者参加型自主防災組織への検証
 自主防災組織への若者の参加は、なかなか思うように行かず、非常に難しいのが実情です。
しかしながら「防災」というツールを利用した大人との会話によって、少しでも参加を促すことができるのではと考え、3つの手法を提案しました。

(1)若者が参加しやすいように組織側の受入体制を整備する
(2)若者が自主的に組織活動に参加したくなるような活動を促進させる
(3)若者と大人が会話できる機会を多く設ける

これらに基づき実際に実施したものは以下の通りであり、今後も継続的に取り組むべきものです。

・マニュアルの作成(手法(1))
・自主防災組織リーダーの育成(手法(1))
・木造住宅耐震診断で地域貢献(手法(2))
・若者が防災マップで組織に参加をアピール(手法(2))
・作成した防災マップで大人との対話(手法(3))
・提案した避難経路マップで一緒に避難訓練(手法(3))
・若者と大人が一緒に総合防災訓練(手法(3))