「まつしま防災学」設定の理由

 

 「防災は国家の責務である」という認識は、国際的な高まりを見せ、自然災害が頻発する日本でも、すでの国や地方自治体レベルにおいて、防災に関する法令や各種計画が整備されています。このような流れの中で、学校教育には国民一人一人の防災や減災に関わる教育の充実が今後一層求められています。
 
 また、大規模災害時においては、交通機関や通信網の機能停止により、発災直後に消防や自衛隊などの防災機関からの救援を受ける事は期待できません。自分自身や家族、地域で対応しなければならない期間が必ず在ることは、平成7年の阪神淡路大震災において明らかになりました。今後高確率で発生が予想される宮城県沖地震においても、自助や共助で対応しなければならない期間が必ず訪れます。
 
 松島町内においては、自主防災組織や消防団などの組織維持は、成員の減少や高齢化によって容易でなくなってきています。このような背景から町では「世代継続する地震に強いまちづくり」という目標を掲げ、若者の地域防災への参加を促しています。そして、子ども達に、防災や減災の基礎知識を習得させる目的から、町内の小学校、中学校が共同して9年間に渡る一貫したカリキュラムを作成することとしました。 

小学校カリキュラム
1)目標
メインタイトル : 災害から命を守る!
 低学年タイトル : 自分を守る
 中学年タイトル : 自分や家族を守る
 高学年タイトル : 自分や家族を守り、地域の人に役立つ

2)期待できる主な効果
・災害時に自分の身を守ることができる
・児童の会話から家族の防災意識を高揚させる
・家具倒壊や火災発生を未然に防ぎ、被害の規模を少なくする
・防災に関する知識などが次第に広まり、地域防災力が向上し、世代を継続しながら地震に強いまちづくりを行うことができる

3)指導内容
・地震、津波、火事の怖さについて学ばせる
・地震、津波、火事の場合の一時避難所(いる場所によって避難場所が変わるので、学区内を想定し具体的に避難場所を指定しておく)を判断し、それが実践できるよう訓練する
・地震、津波、火事の発生時に、自分の身を守るためにどのような行動を取るべきかを学ばせ、それが実践できるよう訓練する
・地震発生時に被害を大きくしないために、学校や家庭で何をすべきかを学ばせ、それを実践させる 
中学校カリキュラム
1)目標
「身につけ、考え、行動できる」「やさしさ」と「たくましさ」のある生徒の育成
→「助けをまつ存在から助ける行動を起こす存在に」
=中学生は「地域の防災戦力!」、中学校は「地域の防災拠点!」

2)期待できる主な効果
・災害時における「自助・共助・公助」の精神を理解し、自ら積極的に防災や減災に貢献できるボランタリーマインドを身につける
・災害時に自他の身を守るための技術・能力を養い、実践できる力を身につける
・災害に関する知識及び将来に渡って減災に繋がる建造物の耐震強化などの知識を深める
・町の「世代継続する地震に強いまちづくり」の取組に積極的に参加・連携し、地域社会の一員としての自覚を高め、地域作りに貢献できる
・「地域に浮かぶ船」としての学校が、災害時に避難所などの対応力を発揮できる体制を整備する

3)指導内容
1学年 「地震に強い松島町をつくる」 外部からゲストティーチャーを招き学ぶ
     「自主防災組織の活動を学ぶ」 夏休みなどに自主防災活動に参加するようガイダンスを行う
2学年 「木造住宅の地震被害」 地震災害において木造住宅の耐震補強が有効であることを学ぶ
     「木造住宅の耐震診断」 耐震診断法を用いての実習を行う
3学年 「地震と津波」 ハザードマップ作成や通学路等の避難の仕方や避難場について確認を行う
     「地震とブロック塀の安全性」 ブロック塀倒壊など通学路の危険箇所について調査する

 

 「まつしま防災学」の実施!
平成20年6月12日、松島中学校で「まつしま防災学」が実施されました。

中学1年生

 
 1年生は総務課環境防災班から講師を派遣し、防災講話を行いました。何故地震が起こるのか、過去の地震の状況、家具転倒防止など防災の基礎的な事や自分たちでできることについて勉強しました。

 またDIG(簡易な図上訓練)も実施しました。昨年から1年生を対象に行っているもので、白地図に参加者みんなでワイワイガヤガヤと楽しみながら、川や山など地形、想定される被害、被害を最小限に抑える方法、普段気をつける事などを書き込んでいく訓練です。今年は宮城県防災士会からも講師を派遣していただき訓練実施しました。みんな楽しく地図に色を塗っていきました。


 
中学2年生


 中学2年生は耐震診断について勉強しました。建築士会から講師を招き、地震災害時には木造住宅の耐震補強が有効であることや、その為に必要な簡易耐震診断について講義を受けました。その後、テキストや家屋モデルを用いて、実際に耐震診断を実施しました。

 耐震診断を学び、その学んだことを家庭で会話することにより、世代を超えた防災の共通認識を持つことができるのではと考えます。
中学3年生

 
 中学3年生は松島消防署より講師を招き、心肺蘇生や簡易担架作成、AED使用方法の講習などを学びました。
 1年生、2年生では地震についての予防をが中心でしたが、3年生は実際に災害が起きてからの行動が中心です。
 
 中学3年ともなれば、災害時に一人前の行動が取れると考えられます。日中など大人が地域に居ない場合などは、地域防災の主役となることから、大きな期待が寄せられます。
避難訓練


 午前中、各学年毎にそれぞれ防災について学びましたが、午後は全校で避難訓練を行いました。

 廊下や階段には、地震災害を想定し、机や椅子、看板などの障害物をわざと散乱させました。

 また、割れた窓ガラスをイメージし、牡蠣の殻を廊下に撒きました。

 ただ避難するのではなく、より実際の災害に近づけ、いざというときに慌てないような訓練を実施しました。